今日から個展が始まったスクラッチアーティストのミチヨさんから、最新の作品画像が届きました。
願いを込めるかのように広げた手に絡みつく白蛇。光る赤い瞳は慈愛に満ちています。
白蛇は昔から弁財天の使いとされ、非常にご利益があるもの有難いものとされてきました。
初夢に白蛇を見ると非常に縁起が良いという話もありますね。
私事ながら、奈良県にある天河弁財天を2度お尋ねしたことがあります。天河弁財天は吉野から熊野に抜ける途中にあり、市杵嶋姫命(イツキシマヒメ)を主としてお祭りしています。芸能の神様として知られ小説・映画「天河伝説殺人事件」の舞台としても有名です。
天河伝説では能楽がテーマでしたが、弁財天はもともと弁才天で芸能だけでなく学問や海上道中安全などのご利益があるとされていました。後に「財」の字と結びついたようです。
背景の文様は琵琶のバチや、水神や未来永劫の平和をイメージした青海波、厄除けの意味がある鱗などが細かに描きこまれています。それらの緻密な文様に対して、蛇の白さが清涼感とヌケ感のある存在感を醸しています。そして蛇の鱗のしなやかさと動きが美しい!
奇しくも今、オリンピックが開催されています。選手たちはそれこそ血の滲むような努力に努力を重ねて晴の舞台を迎えていますが、勝負の残り数パーセントは天の采配によるものが大きいでしょう。芸事もまた他の世界も、やるだけやった人が最後に救いを求める手、その手をあえてミチヨさんは描いています。それは決して白魚のような手ではなく、そこまで苦労を重ね到達した、その手なのです。ミチヨさんは自分の願いも込めて描いたのだと言っていました。
天河神社に備えられていた供物を拝見すると有名人の方のものもあるようでしたが、その方たちも単なる神頼みではなく、努力を重ねたうえで自分ではどうしようもない最後の武運を神に祈るのだなと感じました。
これから何事かを成し遂げたい方、また芸事を極めたいと思われている方への贈り物にいかがでしょうか。勿論そのようなことを抜きで巳年の方にも!
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