個展直前の井上雅未花さんから新作画像が送られてきました。
方舟のなかにいるかのような仔猫。
お腹を上に向けて大きな瞳はまるで考え事をしているかのよう。
垂れた耳はこの種の特長ですが、リラックスしているようにも見えます。
井上さんの作品は、貼キャンバスではなくて板に描いています。 ← 技術面の説明はこちら
その板の上部のシェイプについて「何か意味はあるのですか?」とお尋ねしたところ、「ベッドの天幕をイメージしている」とのこと。天蓋付きのゆりかごに揺られている仔猫。
上部に金箔を施したモチーフは、月のイメージ。先日も神秘的な月蝕が大変話題となりました。
月は女性の象徴でもあり、その満ち欠けは命のリズムにも譬えられます。ゆりかごは子宮の隠喩でもあるのでしょうか。
また細くなったり大きく丸くなったりの猫の瞳も、月の満ち欠けに譬えられることが多いですね。
井上さんご自身が天幕とおっしゃっていた上部のシェイプについても、私にはまるで二つの満月が連なっているように、時の経過を示すように見えます。
仔猫の表情、その艶やかな毛並みの描きこみも見事な美しい作品です。
作品は井上雅未花の個展にて展示いたしますので、ぜひご覧ください。
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