朝起きて布団を上げ掃除をしてから、まずは墨を磨る。修行僧のような暮らしを日々送っているのが、今回の金銀箔展に出品している溝口まりあさん。
女子美出身の彼女は求道者のように、日本画の技術と表現を追求しています。
昨年一年間、三菱商事のアートゲートプログラムで奨学生となり様々なバックアップを受けてきました。
厚手の麻紙を揉み紙にし、自分で磨った油煙墨を用いてたらしこみの技法で描いた猫。その瞳やひげには、純金箔や自分で7時間練って3日間濾した金泥を用いています。
とことんなこだわり!
この作品のタイトル「アンモナイトと夢見し」の由来はその背景にあります。
なんとこの描かれているアンモナイトは、4億5千年前の三葉虫の化石を粉砕してそれを擦り、自分で絵具にしたものなのです。猫の鼻に使われた絵具もサンゴを使った手作りです。また爪先にはダイヤモンド粉末が・・・。
猫は博物館で、もしくは考古学者の研究室で昼寝をしているのでしょうか・・・・。
うとうとしながら、学者たちの議論を聞いているような表情です。
アンモナイトの盛り上げや揉み紙の質感など、これは画面で見るよりも、これは実物を見るべき作品です。明日の人気作家になること間違いなしの才能と情熱だと思います。
ぜひ必見の画家です。作家本人も毎日来場しておりますので、ぜひお話をしてみてください。
展覧会は3月27日火曜まで伊勢丹浦和店美術画廊にて開催しております。
(最終日は5時終了)
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