夏を解く

仏教の言葉で、夏に籠って修行することを夏安居といい、そしてそれを始める日を結夏、終わる日を解夏というのだそうです。
この夏を解くという言葉が大変気に入って描きました。
夏は確かに溶けていく季節だと思います。
春という語源には、張るという言葉を用いることを見かけることがあります。ぴんと新しい命が芽吹く季節。英語のspringにもバネという意味が含まれている。それらが夏によって緩められ豊かに広がっていく、そんなイメージで描きました。
飛鳥灯

走馬灯という言葉が漢字の字面を含め、とても好きです。何度か絵に取り入れたことがあります。今回その言葉をもじって描かせていただきました。走る馬から飛ぶ鳥へともじりました理由は、記憶には個性がある、ならば馬だけに託すのも勿体ないと感じたからです。
走馬灯が、あるがままの人生の要約映像であるなら。
飛鳥灯とは、おそらく見果てぬ人生の可能性かもしれません。膨大なもしもを収集し一瞬の間写し出すランプ。過去か、未来かその両方か。
人は手では届かないものを、言葉と感性によって得ようとします。でも一度くらいはこのランプを持ってみたいものです。
コメントをお書きください