[作家略歴]
スクラッチ画家
黒い板をニードルで引っ搔いて削る「スクラッチ」という技法で古今東西の神話や民族・伝承をテーマに制作しています。
1984年 | 大阪府大阪市生まれ |
2007年 | 津田塾大学学芸学部を卒業 |
ジュエリーブランド退職後、独学で絵を学ぶ | |
2020年 | 常陸国一之宮である鹿島神宮の絵馬を制作 |
□展示歴 | |
2013年 ~2015年 | 東京、大阪、広島、栃木など各地でグループ展 |
2016年 | グループ展 松屋銀座(東京) |
2017年 | 三人展 阪神梅田本店(大阪) |
二人展 伊勢丹浦和店(埼玉) | |
2018年 | 個展 伊勢丹新宿店(東京) |
個展 伊勢丹浦和店(埼玉) | |
2019年 | 個展 伊勢丹新宿店(東京) |
個展 阪神梅田本店(大阪) | |
2020年 | グループ展 伊勢丹新宿店(東京) |
2021年 | 四人展 伊勢丹浦和店(埼玉) |
個展 福屋八丁堀本店(広島) | |
2022年 | 四人展 伊勢丹浦和店(埼玉) |
黒い表面を、細いニードルで削っていき創り出す深遠なる黒と白の世界。削るという行為はやり直しが効かないので、一本一本の線に集中する緊張のアートでもあります。もともとスクラッチアートは西洋で発達した技法ではありますが、無心になって線を引くその様は、東洋の修行僧を連想させます。
ミチヨさんは、神道系の高校で学び、そして内外の歴史文化を、よりグローバルな視点から大学で学びました。彼女の真理への追求は留まることなく、なお古今東西の神羅万象に向けられています。
今年初夏、彼女は一日約20キロの山道をひたすら歩く四国巡礼に旅立ちました。
お遍路転がしで倒れてはいないだろうか・・・・私の心配をよそに、彼女は難なく楽しみながら約ひと月の一人巡拝を行って来ました。(この秋には結願目指してまた行かれる予定です。)
そんな体力気力知力に恵まれたミチヨさんは、邂逅の人でもあります。
安芸高田で出会った類稀なる龍の光、四国山奥の古寺で出会った奇跡 (詳細はぜひご本人に聞いてください)、室戸岬で空海が悟る瞬間の追想、そのような数々の天啓を受け、それらを新たな作品へと昇華する真のアーティストと言えます。
ミチヨさんは黒と白のスクラッチアートに更に箔押しや彩色を施し、彼女独自の世界を作り上げています。
全ての出会いと奇跡を自らの内に取込み新しいものを生み出す・・・・そんなミチヨさんの作品をぜひヒルトピアのショウケースで、どうぞ心行くまでご覧ください。 (岡村)
スクラッチには「ひっかく」「彫る」といった意味があります。その意味の通り、スクラッチは針などの先の尖った物で板や絵の具の層を「ひっかく」ことによって、絵を描いていく技法です。
この技法の面白さは表面の層を削ることにより、下地の色が露出されることにあります。
別の階層にある色が同じ画面に現れる妙がスクラッチの特徴です。
作品はスクラッチ専用の特殊な木の板を使用しつつ、水彩絵具・アクリル絵具・金銀箔などを用いて描かれた神話の世界です。神話や伝承は、単なるおとぎ話ではなく脈々と受け継がれてきた人の心のあり方の世界なのではないか、という想いのもとにこれらの作品が生み出されました。
日本に限らず世界の神話や伝承からそのエッセンスを読み取り独自の解釈で紋様化された作品は、曼荼羅めいた密度と奥行きを展開しています。
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