期間:2016年2月11日(木)~17日(水)
時間:10:00-20:00 (最終日は16:30まで)
場所: 東武池袋店 6F 1番地 美術画廊 絵画サロン
作家は毎日来場します。
大地に根を張った青年画家の初めての個展です。自ら育てた農作物を哲学的に捉えた姿は、細やかな点描表現と相まって深遠で独特な世界観を生み出しています。この純粋な画家の瑞々しい作品およそ30点をどうぞお楽しみくださいませ。
作家は全日在廊予定です。
(入場無料)
〇有島武郎の「生まれいずる悩み」は画家を志すものなら必ず手にする小説と思われます。
日々の生活を維持しながら画家を志す若者の苦悩が描かれたそれは、画家という言葉を他の言葉に置き換えることもでき、誰にでも生まれいずる難題をテーマとしています。
〇兵庫県加西市で農業を営みながら絵筆を握る若者がここにいます。新進の洋画家、櫻井和也です。彼の制作方法は独特で、自ら時間をかけて育てた農作物を描くその時には、まったくそれらを見ません。
アトリエには、キャンバスと絵具、絵筆、それからイーゼルがあるだけでモチーフ台が無いのです。彼は種から実るまでの過程でそれらを観察し終え、一度心に仕舞い込んでから、それらをイメージして描き出します。
写実がブームの昨今、心のフィルターを通して深遠を表現する作家は少なくなりました。櫻井の作品には、これからの時代が必要とする手作業の温もりが感じられます。
〇彼の作品の多くの部分には点描が見られます。果物の影の部分の描写は特に秀逸で、実際に無い色も使われています。筆を極限まで酷使して点を刻むので、筆先は直ぐに潰れてしまいます。
気の遠くなるような作業の繰り返しで生まれてくる静寂な作品は、どこか哲学的で、パリの地で生涯を終えた銅版画家、長谷川潔に通じるものがあります。
〇 非常に穏やかで黒目勝ちの目が印象的な青年です。作品を説明する際も言葉少なですが、強い意志と柔らかさが相まっていて、きっと誰もが心地よさを感じるでしょう。大地の恵みを昇華させた珠玉の作品が並ぶ初めての個展です。本人の解説と共にぜひお楽しみください。
櫻井 和也 Kazuya SAKURAI
1982 兵庫県加西市出身、在住
2010 第14回尾道四季展 入選
2011 第1回アートの広場展 入選
2012 団扇アート展 (東京)
第15回尾道四季展 入選
2013 GUAMS6展 (東京)
個展 歳華展 (東京)
アールデビュタントURAWA2013 伊勢丹浦和店
2014 only theme, own theme ヒルトン東京(東京)
薫風展 池袋東武 (東京)
ヤングアートスター展
東急百貨店たまプラーザ店 (神奈川)
薫風展 阪神梅田 (大阪)
MVW 福屋八丁堀本店 (広島)
2015 橘花展 福屋八丁堀本店 (広島)
薫風セレクション展 宇都宮東武 (栃木)
薫風展 阪神梅田 (大阪)
アオリンゴとイチゴを描き、風景にはチューリップとシロツメクサを咲かせました。なんとなく冬のわびしさが残っている中、春になり少しずつ暖かく過ごしやすい季節になってきた感じを柔らかい光で表現しました。
色づいた木々、一面に咲いたコスモス、その間に一本の長い道がどこまでも続いています。夕焼けに照らし出されるのはリンゴとカキとスダチです。これらが地平線の向こうへと、この道を歩んで行くかのようです。
夏らしい青い空と水辺を描きました。作物はマンゴーとウメそしてビワです。マンゴーには”太陽のたまご”と呼ばれ流通しているものがあります。まさに一つの太陽が一枚の絵の中で輝きを放っているのではないでしょうか。
少し寂しげな林の中を水が静かに流れ、その川辺には水仙が咲き冬を主張しています。寒さ極まる冬空のもと、ポンカン、ミカン、アオキの実がじっと佇んでいます。ゆっくりとした時を刻みながら、また次の季節へと移りゆきます。