刻々と変わる風景。
この風景は今そこにあるけれど、明日にはどこにもない。
そんな曖昧な存在を形にしたい。
版木に刻み付けて、紙に刷り込んで、版画という形にして。
形にすることで私の中で曖昧な存在が、確かなものに変わる気がするのです。
今回の展覧会では部屋の風景をメインに展示します。
描くのは音のない、静かな部屋です。
音のない部屋はイメージの中にあって、実際にはどこにもありません。
音が全くない部屋はありませんから。
風の音、鳥の声、車の音、人の声など何かしら聞こえてくるものです。
音のない部屋で、静けさに耳をすませるように、
穏やかでちょっとだけ寂しい風景を感じて頂ければと思います。
去年に引き続きギャラリー上原での個展になります。
前回はプレス機を持ち込み作品制作をしながらの展示でした。
今回はプレス機はありませんが、版木を彫る作業などをしています。
地味な作業ではありますが、私にとっては作品と向き合うための重要な作業です。
彫っている時はいろんなことを考えます。作品のこと、テーマのこと、人生のことなど、、、
どんな作業をしているのか、気になったら気軽にお立ち寄りください。