期間: 2014年5月21日(水)~27日(火)
時間: 10:30-19:30 (最終日5時終了)
場所: 伊勢丹浦和店7F = プチギャラリー
世界を作ってみたい!と思い立ったきっかけは水族館の水草でした。水草を用いて水の中に平地のような草原を水槽の中に作り上げていたのです。(のちに調べましたところ、水草レイアウトというらしいのです。)
草原の上を鳥ではなく魚が飛んでいく。その世界の魅力に一瞬にして引き込まれました。空は鳥が飛ぶ場所。水は魚が泳ぐ場所。それが矛盾することなく存在しているような。存在するはずがないのにそこに確かにあるような。実在するのにまさに幻想と表現できる世界を眺めていますと、今すぐこの感覚で絵を描きたいという欲求がわいてきました。
なので当初、矛盾したモチーフを作品に入れて調和させてみようと試みました。しかし描いていくうちに、設定したテーマからすぐに脱線し始めました。なぜ脱線するのだろう?と考えたところ、矛盾から生まれた世界だけでは物足りない!という自分を見つけたのです。そんなわがままな、と思いつつ描くことは止められません。楽しいから止まりません。世界を作るって楽しいことなんだ、と思ったところですとん、と納得したのです。そうだ、最初に戻って見たいと思った世界を作ればいい、と。自分が美しいと思ったものを詰め込んで。実現するには難しい、けれどどうしても見たい世界を描こうと決めました。
何故絵を描くのかという質問をいただいたことはないのですが、今回の個展をきっかけに答えを見つけることができたように思います。どうしても絵でしか表現できない光景があるから、ということです。絵でしか表現できない世界はまだまだどこかで眠っているはずです。
私の作品が皆様にとって「こういう世界が見たかった」「こんな世界があったのか」であれば嬉しく思います。
(長谷川 理奈)