2月8日(水)~14日(月・祝)<最終日5時終了>
伊勢丹浦和店7F = プチギャラリー
大地に根を張った青年画家の浦和初の個展です。自ら育てた農作物を哲学的に捉えた姿は、細やかな点描表現と相まって深遠で独特な世界観を生み出しています。各地で大好評なこの純粋な画家の瑞々しい作品およそ25点をどうぞお楽しみください。全日程、作家在廊予定です。
●昨年、自身初の個展が大好評でした洋画家櫻井和也の当店初の個展です。大地に根を張り渾身の想いで描き上げた新作およそ25点をご披露いたします。
●「野菊の墓」で知られる伊藤左千夫は茶人や歌人としても知られていますが「牛飼がうたよむ時に世の中のあらたしき歌おほいに起る」という歌を遺しています。これは芸術を誰もが自由に謳歌できることを表した気骨のある歌と評されています。
●兵庫県加西市で農業を営みながら絵筆を握る若者がここにいます。新進の洋画家、櫻井和也です。彼の制作方法は独特で、自ら時間を掛け育てた農作物を描くその時にはモチーフを全く見ません。アトリエにはキャンバスと絵具と絵筆、それからイーゼルがあるだけでモチーフ台が無いのです。彼は種から実るまでの過程でそれを観察し終え、一度心に仕舞い込んでからイメージして描き出します。写実がブームの昨今、心のフィルターを通して深淵を表現する作品は少なくなりました。櫻井の作品にはこれからの時代が必要とする手作業の温もりが感じられます。
●彼の作品の多くの部分には点描が見られます。果物の影の部分の描写は特に秀逸で実際に無い色も使われています。筆を極限まで酷使して点を刻むのでその先は直ぐに潰れてしまいます。気の遠くなるような作業の繰り返しで生まれてくる静寂な作品はどこか哲学的で、パリの地で生涯を終えた銅版画家長谷川潔に通じるものがあります。
●非常に穏やかで黒目勝ちの瞳が印象的な青年です。作品を説明する際も言葉少なですが、強い意志と柔らかさが相まっていて、きっと誰もが心地良さを感じるでしょう。大地の恵みを昇華させた珠玉の作品が並ぶ初めての個展です。本人の解説と共にどうぞお楽しみください。(会期中は、作家が毎日在廊する予定です。)
肥沃な大地は芳醇な実りをもたらし、季節は移ろい永遠の時を刻み続けます。色は光の波長により知覚されますが、それを輪環状に体系づけたものを色相環といいます。この二つの相巡るものたちからインスパイアされ、感謝の念を込めて描きました。
「茜色の夢」 P8 油彩・キャンバス
モチーフ: リンゴ・カボス
西洋では知恵の実としての顔をもつリンゴ、そして橘(食用柑橘類)は、常世、不老長寿の象徴でもあります。
寄り添う二つのモチーフの奥に広がるのは、作家の想像の木であり世界です。
「凛乎蒼く」 P8 油彩・キャンバス
モチーフ: イチジク・カキ
凛とした蒼い空、そして木々も花々も画家の想像上のものです。意味深長にたたずむイチジク、そして柿実の黄色が蒼に映えます。柿は「嘉喜(かき)」にも通じ、また福をかき集めるもので縁起が良いとされています。
「大地を染める橙黄」 P8 油彩・キャンバス
モチーフ: イチジク・西洋スモモ
原罪を隠喩することで有名なイチジクですが、他にも生命力や知識、再生、豊かさなどの象徴とされています。また西洋すももの花言葉は、「誠実な一生」です。
「若草色に揺らめく」 P8 油彩・キャンバス
モチーフ: マンゴー・サクランボ
明緑の空が印象的な作品。最近は国内産も多く出回っているマンゴー、濃厚な甘みと酸味があり、仏教では聖なる樹とされています。そして赤い宝石のようなサクランボは、眺めても美しく夏の到来を感じさせる特別な果実ですね。
1982 兵庫県加西市出身・在住
2010 第14回尾道四季展 入選
2011 第1回アートの広場展 入選
2012 団扇アート展(東京)
第15回尾道四季展 入選
2013 GUAMS6展 (東京)
個展 歳華展 (東京)
アールデビュタントURAWA2013 伊勢丹浦和店(埼玉)
2014 Only theme, own theme ヒルトン東京 (東京)
薫風展 池袋東武(東京)
ヤングアートスター展 東急たまプラーザ店 (神奈川)
薫風展 阪急梅田(大阪)
MVW 福屋八丁堀本店 (広島)
2015 橘花展 福屋八丁堀本店 (広島)
薫風セレクション展 宇都宮東武(栃木)
薫風展 阪急梅田(大阪)
2016 個展 東武池袋店 (東京)
その他多数