水野香菜日本画展

ー華のたねー

Kana Mizuno solo Exhibition

Feb. 24 - Mar.2 , 2021 @ Yokohama Takashimaya

水野香菜日本画展ー華のたねー

2月24日（水）～　3月２日（火）

横浜髙島屋７階美術画廊

開場時間は、横浜髙島屋の営業時間に準じます。

（最終日は16:00まで）

ご挨拶

　2020年は世界中で人との関わり方を深く考える年になりました。連日、心身を消耗するようなニュースを受け取るばかりで、ネガティブな感情に支配される場面に多く遭遇しました。非日常の中では「日常」という言葉がこれほどまでに使用されるのかと驚くばかりです。

　家族以外の人と（人によっては家族とも）会うのが難しい日々。私には自ら「友」と自信をもって言える関係性の人はあまり多くありません。特10、20代の頃はなるべく一人で何でも出来るようになりたい、一人でありたいと願っていました。しかしそれはやっぱり無理な話で、誰かと話しいし触れ合いたい、何か楽しい素敵なことを共有したいという気持ちはどんなときでも捨てられないものだなと改めて感じています。普段引きこもって作業をしている私ですが、不思議と今の状況下での方が連絡を多くとっている友人もいます。日頃話さないことを話したり、こんなことをやりたいんだ！という話をしながらリモートで盛り上がっています。もともとポジティブな方では全くないので暗い話もついついしてしまいますが、この時間はなるべく楽しくありたいと願っています。

　動植物を描くにあたって外にでれない、動物園などに取材にいけない時期は制作の面においても精神的に辛いものがありましたが、友人たちと話すことで良い刺激とネタをもらうことができました。そしてなにより家族でありモデルである犬と鳥たち、植物たちには感謝しかありません。この子達が元気である日々が私の日常です。

　「美術」は緊急時にはどうしても衣食住に直接関係しないということもあり生活の中の優先順位としては低いです。ですがポジティブな言葉や音楽を聞いて体調がよくなることがあるように、絵画にもそのような効果があると信じています。自分の作品にどれほどのことが出来るかは私自身にはわかりません。しかし話の種くらいにはなると思います。

　人間と暮らす動物たちは愛らしくて逞しいです。こちらがポジティブに接すればその倍のパワーを返してくれます。植物たちも（たとえこちらが無関心でも）常にひっそりと力強いですが、こちらが関心をもてばより一層の生命力を受け取ることができます。動植物を一つの画面に合わせて描くことで躍動感と、私が感じるお互いの愛らしさと逞しさがより表現できればと思います。

　そして作品を見ていただいた皆様に生活の中で楽しんでいただいたり、家族や友人と電話でもリモートでも、会話のネタの一つにしていただければとても光栄です。

水野香菜