ピクチャーレールの選び方・取り付け方・設置する際の注意点とは?

 

「自宅で美術館の気分を味わいたい」。そのようにお考えの方には、「ピクチャーレール」の購入をおすすめします。ピクチャーレールを使うと、インテリアとして周囲の環境に溶け込みやすいので、絵画を鑑賞する喜びが格段に増すからです。

 

  1. ピクチャーレールとは?
  2. ピクチャーレールの選び方
  3. ピクチャーレールの取り付け方
  4. 設置する際の注意点

 

このページでは、ピクチャーレールについて、以上のポイントを解説します。

 

依頼をご検討ください。

 

1. ピクチャーレールとは?

 

ピクチャーレールとは、天井や壁に設置する絵画掲示用のレールです。使い方としては、絵画展示用の「カーテンレール」をイメージすると、わかりやすいかもしれません。美術館や博物館やギャラリーで主に活用されますが、家庭用のピクチャーレールも市販されています。

 

絵を上下左右に自由に動かせて、模様替えのたびに壁を傷つずに済むのがピクチャーレールの特長です
絵を上下左右に自由に動かせて、模様替えのたびに壁を傷つずに済むのがピクチャーレールの特長です

・ピクチャーレールの構成部位

 

ピクチャーレールは、以下の部位で構成されます。

 

部位

用途や特徴

レール

天井や壁に取り付ける本体部分

フック(ランナー)

絵画を左右に動かすためのパーツ

ハンガー

絵画を吊るすためのパーツ

ワイヤー

天井から吊り下がる紐。ハンガーを上下に動かすことで絵の高さを調整できる。

セミ

ハンガー(絵画)を上下に動かすためのパーツ

ストッパー(キャップ)

レールの両端を固定するためのパーツ

 

ご覧の通り、上下左右に動かせるのが、ピクチャーレールの特徴かつ長所です。壁への穴開けがレール本体を取り付ける際にしか発生しないので、絵画だけでなく壁や天井へのダメージが最小限に抑えられる点も特筆されます。

  

ワイヤーを伝って、一番上までハンガーを押し上げた状態
ワイヤーを伝って、一番上までハンガーを押し上げた状態

2. ピクチャーレールの選び方

  • 耐荷重
  • 取り付け方
  • 取り付け位置
  • 色や素材

ピクチャーレールを選ぶ際には、以上のポイントを考慮するとよいでしょう。

 

・耐荷重

 

ピクチャーレールを選ぶ際、もっとも重要なポイントは「耐荷重(たいかじゅう)」です。耐荷重とは、ピクチャーレールの安全性が担保される、最大の荷重を表します。たとえば耐荷重が10kgの場合、重さが10kgまでの絵画を吊るすことが可能です。

 

一般的な絵画の重さを考慮すると、10~15kgが耐荷重の目安になります。重い絵画や複数の絵画を飾る場合は、20~30kgほどの耐荷重が必要になるでしょう。

 

耐荷重をオーバーすると、本体ごと落下する危険性があります。タイミングによっては、絵画だけでなく人間(鑑賞者や居住者)が怪我をする可能性もあるので、選ぶ際は最初に考慮すべきポイントになるのです。

 

・取り付け方

 

  • 先付け(埋め込み)
  • 後付け

建物(自宅)の施工方式も、ピクチャーレールを選ぶ際の判断材料になります。「先付け」とは、建物の内装工事やリフォームが終わる前に、あらかじめピクチャーレールを取り付ける方式です。「後付け」とは、建物の壁や天井に後から取り付ける方式を指します。

 

先付けに比べて後付けの方が、耐荷重は小さいのが一般的です。見た目としても、後付けの方がピクチャーレールは目立ってしまいます。絵画好きの方が物件を新築・購入する際には、あらかじめ先付けを念頭に置いておくとよいかもしれません。

 

後付けしたピクチャーレールです
後付けしたピクチャーレールです

・取り付け位置

壁付けされたピクチャーレールの例
壁付けされたピクチャーレールの例

 

  • 天井付け
  • 壁付け

 

天井から吊るすか(天井付け)、壁にくっ付けるか(壁付け)によっても、ピクチャーレールの選択肢は変わります。取り付けが簡単で設置後の位置調整もしやすいので、ピクチャーレールの取り付け方としては壁付けが一般的です。

 

天井付けには、ピクチャーレールが目立たないというメリットがあります。絵画を鑑賞する際の、美しさや心地よさを重視する方におすすめです。ただし、絵画を吊るすことになるので、安全性(耐荷重の確認・厳守)には十分留意してください。

 

・色や素材

 

ピクチャーレールは製品ごとに、色や素材が違います。部屋のインテリアに馴染ませたい場合は、壁に近い色を選ぶとよいでしょう。ピクチャーレールそのものに存在感を持たせたい場合は、メタル素材や木目調の製品を選ぶとよいかもしれません。

 

ハンガーの色や素材もポイントです。一般的には金属製が人気なので、色も金属的な色(銀系色)になります。インテリアとしてのこだわりを追求したい方は、「白」や「透明」のハンガーを選ぶとよいでしょう。

 

3. ピクチャーレールの取り付け方

 

  • 下地の確認
  • 本体と付属品の取り付け

 

ピクチャーレールを取り付ける順番は、以上の通りです。

 

レールとフック(ランナー)を設置した状態
レールとフック(ランナー)を設置した状態

・下地の確認

 

ピクチャーレールの取り付けにあたっては、下地を確認しなければなりません。下地とは、壁や天井の内側にある柱です。家の建築設計図が用意できればベストですが、壁を軽くノックすることで、簡易的に確認することもできます。

 

ノックした時にゴツゴツとした固い反応が返ってきたら、それは下地がある場所のサイン。ピクチャーレールの設置に適した場所になります。

 

・本体と付属品の取り付け

 

下地を確認したら、ピクチャーレール本体を取り付けます。以下のいずれかの方法で取り付けるのが一般的です。

 

  • 直付け:壁や天井に直接ネジで取り付ける方法
  • ブラケット付け:ブラケット(固定用の金具)でネジ止めして取り付ける方法
  • 石膏クギ付け:専用の石膏クギを使って取り付ける方法

 

ピクチャーレール本体を設置したら、フック・ハンガー・ストッパーなどの付属品を取り付ければ、作業は完了です。

 

4. 設置する際の注意点

 

ピクチャーレールを設置するのは、かなりの「重労働」です。危険を伴う作業でもあります。下地の確認作業や本体の取り付け作業は、特に厄介でしょう。こうした作業に自信がない方は、業者へ依頼した方が無難かもしれません。

 

ピクチャーレールの設置を業者に依頼すると、少なくとも5万円~の料金がかかります。ピクチャーレール本体の料金相場は1万円前後なので、本体よりも設置費用の方が高くつく傾向がありますが、設置する際も設置した後も、安全性が担保されるのがメリットです。

安心&快適な絵画鑑賞ライフを送りたい方は、業者への依頼をご検討されると良いでしょう。