「自宅で美術館の気分を味わいたい」。そのようにお考えの方には、「ピクチャーレール」の購入をおすすめします。ピクチャーレールを使うと、インテリアとして周囲の環境に溶け込みやすいので、絵画を鑑賞する喜びが格段に増すからです。
- ピクチャーレールとは?
- ピクチャーレールの選び方
- ピクチャーレールの取り付け方
- 設置する際の注意点
このページでは、ピクチャーレールについて、以上のポイントを解説します。
依頼をご検討ください。
1. ピクチャーレールとは?
ピクチャーレールとは、天井や壁に設置する絵画掲示用のレールです。使い方としては、絵画展示用の「カーテンレール」をイメージすると、わかりやすいかもしれません。美術館や博物館やギャラリーで主に活用されますが、家庭用のピクチャーレールも市販されています。

・ピクチャーレールの構成部位
ピクチャーレールは、以下の部位で構成されます。
部位 |
用途や特徴 |
レール |
天井や壁に取り付ける本体部分 |
フック(ランナー) |
絵画を左右に動かすためのパーツ |
ハンガー |
絵画を吊るすためのパーツ |
ワイヤー |
天井から吊り下がる紐。ハンガーを上下に動かすことで絵の高さを調整できる。 |
セミ |
ハンガー(絵画)を上下に動かすためのパーツ |
ストッパー(キャップ) |
レールの両端を固定するためのパーツ |
ご覧の通り、上下左右に動かせるのが、ピクチャーレールの特徴かつ長所です。壁への穴開けがレール本体を取り付ける際にしか発生しないので、絵画だけでなく壁や天井へのダメージが最小限に抑えられる点も特筆されます。
2. ピクチャーレールの選び方
- 耐荷重
- 取り付け方
- 取り付け位置
- 色や素材
ピクチャーレールを選ぶ際には、以上のポイントを考慮するとよいでしょう。
・耐荷重
ピクチャーレールを選ぶ際、もっとも重要なポイントは「耐荷重(たいかじゅう)」です。耐荷重とは、ピクチャーレールの安全性が担保される、最大の荷重を表します。たとえば耐荷重が10kgの場合、重さが10kgまでの絵画を吊るすことが可能です。
一般的な絵画の重さを考慮すると、10~15kgが耐荷重の目安になります。重い絵画や複数の絵画を飾る場合は、20~30kgほどの耐荷重が必要になるでしょう。
耐荷重をオーバーすると、本体ごと落下する危険性があります。タイミングによっては、絵画だけでなく人間(鑑賞者や居住者)が怪我をする可能性もあるので、選ぶ際は最初に考慮すべきポイントになるのです。
・取り付け方
- 先付け(埋め込み)
- 後付け
建物(自宅)の施工方式も、ピクチャーレールを選ぶ際の判断材料になります。「先付け」とは、建物の内装工事やリフォームが終わる前に、あらかじめピクチャーレールを取り付ける方式です。「後付け」とは、建物の壁や天井に後から取り付ける方式を指します。
先付けに比べて後付けの方が、耐荷重は小さいのが一般的です。見た目としても、後付けの方がピクチャーレールは目立ってしまいます。絵画好きの方が物件を新築・購入する際には、あらかじめ先付けを念頭に置いておくとよいかもしれません。

・取り付け位置

- 天井付け
- 壁付け
天井から吊るすか(天井付け)、壁にくっ付けるか(壁付け)によっても、ピクチャーレールの選択肢は変わります。取り付けが簡単で設置後の位置調整もしやすいので、ピクチャーレールの取り付け方としては壁付けが一般的です。
天井付けには、ピクチャーレールが目立たないというメリットがあります。絵画を鑑賞する際の、美しさや心地よさを重視する方におすすめです。ただし、絵画を吊るすことになるので、安全性(耐荷重の確認・厳守)には十分留意してください。
・色や素材
ピクチャーレールは製品ごとに、色や素材が違います。部屋のインテリアに馴染ませたい場合は、壁に近い色を選ぶとよいでしょう。ピクチャーレールそのものに存在感を持たせたい場合は、メタル素材や木目調の製品を選ぶとよいかもしれません。
ハンガーの色や素材もポイントです。一般的には金属製が人気なので、色も金属的な色(銀系色)になります。インテリアとしてのこだわりを追求したい方は、「白」や「透明」のハンガーを選ぶとよいでしょう。
3. ピクチャーレールの取り付け方
- 下地の確認
- 本体と付属品の取り付け
ピクチャーレールを取り付ける順番は、以上の通りです。
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・下地の確認
ピクチャーレールの取り付けにあたっては、下地を確認しなければなりません。下地とは、壁や天井の内側にある柱です。家の建築設計図が用意できればベストですが、壁を軽くノックすることで、簡易的に確認することもできます。
ノックした時にゴツゴツとした固い反応が返ってきたら、それは下地がある場所のサイン。ピクチャーレールの設置に適した場所になります。
・本体と付属品の取り付け
下地を確認したら、ピクチャーレール本体を取り付けます。以下のいずれかの方法で取り付けるのが一般的です。
- 直付け:壁や天井に直接ネジで取り付ける方法
- ブラケット付け:ブラケット(固定用の金具)でネジ止めして取り付ける方法
- 石膏クギ付け:専用の石膏クギを使って取り付ける方法
ピクチャーレール本体を設置したら、フック・ハンガー・ストッパーなどの付属品を取り付ければ、作業は完了です。
4. 設置する際の注意点
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ピクチャーレールを設置するのは、かなりの「重労働」です。危険を伴う作業でもあります。下地の確認作業や本体の取り付け作業は、特に厄介でしょう。こうした作業に自信がない方は、業者へ依頼した方が無難かもしれません。
ピクチャーレールの設置を業者に依頼すると、少なくとも5万円~の料金がかかります。ピクチャーレール本体の料金相場は1万円前後なので、本体よりも設置費用の方が高くつく傾向がありますが、設置する際も設置した後も、安全性が担保されるのがメリットです。
安心&快適な絵画鑑賞ライフを送りたい方は、業者への依頼をご検討されると良いでしょう。
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