展覧会レポート│大人気!ジョーシー・パトリック│内田真弓 プロデュース 2022 アボリジナルアート展

タイトル マイ・カントリー/ My Country

サイズ 94cmx126cm

作者 ジョーシー・パトリック/ Josie Patrick

出身 中央砂漠ユト-ピアコミュニティ/ Utopia

言語集団 アマチャラ族/ Anmatyarre

 

 

 今回の『内田真弓プロデュース2022アボリジナルアート展』で特に来場者に人気の画家はジョーシ-・パトリックだ。会期3日目朝の段階で、彼女の作品は残り1点。

 今日はその残り1点となった展示作品『マイ・カントリー』を紹介したい。

 

今回最も人気の画家ジョーシ-・パトリック
今回最も人気の画家ジョーシ-・パトリック

 

 ジョーシ-・パトリックは1953年生まれ、ユトーピアの女性画家として1990年代後半から絵画制作に励んでいたという。アーティストとしてのキャリアは比較的長いベテラン作家の1人だ。

 この『マイ・カントリー』では、細やかな美しい点描は乾燥した砂漠地帯にようやく雨が降ったあと色とりどりの草花が咲き乱れ、そこにブッシュプラムが生息する様子を描いている。

(註:ブッシュプラムとは乾燥したオーストラリアの中央砂漠でアボリジニたちの大切な食料源となる果物の実である。ビタミンCを非常に多く含む。)

 

 細やかなドット手法は誰もを圧倒し、美術愛好家たちからの評価はとても高い。コレクターもいまや世界各地に数多く存在する。メルボルンのビクトリア国立美術館に作品が所蔵されるほどの画家だ。

 

 彼女が絵画を描くということは、大地と自分が常に関わり合っていることを確認することの表現である。これは『はるか太古より自分たちの祖先によって伝承されてきた大地からのメッセージを現在においても大切に守り続けるための重要な儀式と同じなのだ』と彼女は誇らしげに語っている。

  

 写真だけでは作品の迫力には遠く及ばない。内田真弓氏よる魅力的な解説とともに、めったに出会う事のできない作品をぜひ会場で体感してほしい。

 

 

◆内田真弓プロデュース2022アボリジナルアート展

2022年11月3日(木)~11月7日(月)10:30~18:30

会場:ヒルトピアアートスクエア

住所:東京都新宿区西新宿6-6-2 (ヒルトン東京地下1階)ヒルトピアショッピングアーケード内