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まめちしきvol 4 パステル絵の具って何だろう?

パステル画家・若菜由三香さんによる作品制作の様子
パステル画家・若菜由三香さんによる作品制作の様子

パステル絵の具は、顔料の『粉』を固めたもの

パステルカラーといえば、

淡く柔らかい色合いを連想しますね。

パステルという言葉は日本語として浸透していますが、

意外とパステル絵具はどんなものか知られてません。

 

パステル絵の具は、顔料の粉を固めたものです。

紙に描いたときは顔料の粉が紙面に乗るだけですので、

紙に定着されているわけではないのです。

 

紙をトンと立てたり爪で引っ掻いたりすると

絵具が簡単に落ちてしまいます。

 

また顔料同士は混ざらないので、

細かい粒子がそれぞれ紙の上に乗った状態です。

カラーの小麦粉を置いた状態

と言ったら連想しやすいでしょうか。

非常に繊細な状態なのです。

 

そこでパステルを使うときには、

なるべくボコボコと凹凸がある紙を用います。

また描きながら、

頻繁にスプレー状の定着剤(フィキサチフ)を吹き、

それで定着させます。

 

パステル画家の若菜由三香さんが描くところを見ていると、

それこそ画面が濡れるほど吹いています。

 

このようにとてもデリケートなパステル画ですが、

透明感のある、空気を含んだようなパウダリーな質感は、

他の画材では出せない特別なものです。

 

(ライター 晶)